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岡野 玲子,夢枕 獏
白泉社
コメント:夢枕獏&岡野玲子の陰陽師。
表紙の晴明さんが着てるのが狩衣。
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成人式のニュースを見ていて、和服っていいよね!ときゅんきゅんしてました。
振り袖も紋付き袴も素敵。
和服は全然着ないけど、眺める分には超眼福(*´∀`*)
和服萌したので、前々から疑問だった『東京BABYLON』及び『X』の昴流くんの式服の構造を考えてみることにしました。
陰陽師の衣装といえば「狩衣(かりぎぬ)」。
上に出ている『陰陽師』2巻の表紙の晴明さんが着てる服です。
陰陽師=狩衣というイメージは最も有名な陰陽師の一人・安倍晴明から来てるのでしょう。
今日一般的に知られている陰陽師・安倍晴明像は夢枕獏さんの小説の影響が強いかと思います。
(夢枕さん以前にも『帝都物語』等の作品の影響もあるでしょう)
狩衣は平安貴族の普段着だったので、陰陽寮の役人である安倍晴明が妖怪退治等の運動(?)に出かける時に動きやすい衣装である狩衣を着るのは割と普通のことかと思います。
つまり、陰陽師=狩衣ではなく、平安時代の動きやすい衣装=狩衣です。
この狩衣タイプの衣装の中に「浄衣(じょうえ)」というのがあります。
「白色の無紋狩衣・無紋指貫の形を「浄衣」といい、専ら神事に用いられた。」(wikipedia
「狩衣」より)
昴流の式服は背中に皇家の紋である五芒星(
星の紋)が入ってますね。
無紋ではないけど、上下白なので浄衣をイメージしてるのでしょう。
浄衣は現代でも神主さんが神事を執り行う時等に着用されているものです。
しかし、あの式服は紋がある以外は浄衣(狩衣型)かというとちょっと違います。
・狩衣は前身ごろが長くて、指貫(袴)の前に垂れている
・狩衣の袴は指貫と呼ばれるタイプのもので、裾がつぼまっている
(つぼめない着方もできます)
・狩衣は脇が開いている
式服と狩衣の違いは大雑把に挙げるとこんな感じでしょうか。
式服は前垂れがなく、着方としては「水干(すいかん)」(牛若丸とか『GATE7』のはなちゃんが着てる衣装)みたいに袴に着こんでる感じです。
ただ式服には水干の特徴である菊綴と襟から下がる紐がないので、あまり水干っぽくは感じません。
狩衣の下の袴は「指貫(さしぬき)」といって、袴の裾に紐がついていてつぼめるようになってます。
つぼまってる感じは『陰陽師』の表紙の晴明さんの足元参照。
あと、大きく違うのは、脇が空いてないこと。
狩衣も水干も脇は空いてますが、式服の脇は開いていません。
あえて式服に似ていそうなものを思い浮かべたら、「被布(ひふ)」か「道行(みちゆき)」かなあと思い当たりました。
被布は七五三で小さい女の子が着物の上に着てるやつで、道行は女性が着物の上に着る上着です。
被布は袖がなく襟も洋風ですが、飾り房がついています。→「
被布」(参考:楽天市場)
道行は袖が狩衣のように分離してませんが、襟(都襟型)は式服に近い感じ。
式服は袖のつき方が一番謎で、漫画や画集を見てもいまいちよくわかりませんでした。
狩衣だと後ろの身ごろについてるはずなんだけど、式服は脇が空いてない(銅が筒状)なんでどの部分で繋がっているのか・・・。
まさか袖だけ独立してる訳でもないだろうし。
(独立してたらずり落ちると思う)
なんにせよ式服は既存の衣装をベースに考えだされた独自の架空衣装だと思うので、狩衣、水干、被布(道行)辺りが元になってるのかなあと思います。
※私は和服や平安装束に特に詳しいというわけではなく、ネットから拾った情報を元に書いているので、間違いがあるかもしれません。
それにしても。
被布を調べてたら、今の七五三衣装がとても可愛いのばかりですごく楽しかったです(*´д`*)
和服可愛いなあ!