SQ12月号に掲載された「GATE7」を今更感想。
・あらすじ
古いものが大好きな高校生・高本致佳人は憧れの京都旅行で北野天満宮に訪れていた。
天満宮の境内を何気なく歩いていると、ふと水面に木が生えた不思議な空間に迷い込んでいた。
慌てる致佳人の前に、水面に佇む謎の着物姿の三人組が現れる。
三人の中央に立つ水干姿の少女とも少年ともつかない子に目を奪われる致佳人だったが、彼らにとって致佳人は招かれざる客のようだった。
そこへうねる細い妖が現れ、三人組の一人黒髪の青年がその正体を「陽属・土、蛇」と見抜き、それに合わせてもう一人の白髪の青年が刀を生成、その刀を持った水干姿の子供が不思議な術を使い妖を倒した。
超常現象に巻き込まれ気絶した致佳人が目覚めると、そこは日本家屋の一室だった。
先程妖を倒した三人組が普段着で現れ、誘われるままに昼食を共にした致佳人は、自分が彼らの敵ではないかと疑われていたことを知る。
白髪の青年・桜は致佳人の記憶を焼くか吸い出すかと思案し、黒髪の青年・橘は致佳人に何の力も見えないと記憶を焼くことに決める。
橘の指が額に触れた時火花が走り、一瞬気を失う致佳人だったが彼の記憶は消えていなかった。
そのことに驚く二人を余所に、妖を退治した子供・はなが致佳人の腕を取り家の外へと連れ出す。
驚く致佳人にはなは自分はここで待っている、と告げ、致佳人にキスをするのだった――。
読み切りというより物語の序章。
はなと致佳人の出会いで物語が始まる感じ。
今回登場した人物は四人。
・主人公:高本致佳人・・・東京の十字学園に通う高二のちょいドジっ子眼鏡君。普通の高校生のはずだが、母親に京都に行くのをずっと反対されていた辺り何か秘密がありそう。因みに彼の通っている高校は「×××HoLic」の主人公・四月一日と同じ高校。
・ヒロイン(?):はな・・・致佳人が北野天満宮で出会った不思議なの三人組の一人。三人の中では武器をと術を使う攻撃担当のようで、戦闘時は水干のような衣装を着用。ぱっちりした猫目の美少女(美少年?)。麺類が好き。
・脇1:橘・・・不思議な三人組の一人。戦闘では敵の属性分析を担当。片側だけ少し長い黒髪短髪で物言いはクール。突然自分達の戦闘の場に現れた致佳人に警戒感を示す。言動から他人の記憶を焼く(=消す)こともできるらしい。
・脇2:桜・・・不思議な三人組の一人。戦闘では武器生成と場の結界を担当している模様。長身長髪で三人の中では一番筋肉質な体型。鍋焼きうどんを致佳人に振る舞ったりと、人辺りは比較的よい。言動から他人の記憶を吸い出すことができるらしい。
橘に「他の華街の関係者でもない、異能持ちの家系でもない、何の力も視えない」と評された致佳人ですが、京都に来ることを母親に大反対されていた、という設定から、実は出生に秘密がある予感がします。
はな、橘、桜の三人組は「華街の裏七軒に属している」と言います。
他の華街の人間を警戒していることから、裏七軒以外の華街というのが複数あって、それぞれ対立してるのかな?
タイトルの「GATE7」の7と「裏七軒」の七はやはり同じ意味なんでしょうか。
裏七軒というのが第七の門(門と言うからには異界への入り口?)って意味なのかな。
謎の三人組の戦闘スタイルは橘が敵の属性分析、桜が属性に合わせた武器生成と結界の維持、はなが武器を使って敵を倒す、という分担のようです。
一番小さい子が一番大変な役割分担じゃないか。
致佳人君も変わった名前ですが、裏七軒三人組の名前、はな、橘、桜は全員花の名前です。
ついでに言えば、桜と橘と言えば思い当たるのが雛飾りにある桜と橘。
雛飾りの桜と橘は京都御所・
紫宸殿の前に植えられている左近の桜、右近の橘です。
男に桜とわざわざつけるネーミング的に、この二人の名前は左近の桜、右近の橘から由来してる気がします。
因みに、見開きで三人が登場するシーンでは右に橘、中央にはな、左に桜の配置で、右近の橘、左近の桜だ!と思ったのですが・・・この右近・左近の右と左は天皇から見て右と左なので、名前とは逆なんだそうです。
右近橘 左近桜
昔撮った京都御所の写真を引っ張り出してみたけど、確かに
紫宸殿に向かって右に桜、左に橘。
うーん、桜と橘に意味はあるのか。
その場合、中央に位置する”はな”は何者なのか。
致佳人本人も知らなそうな致佳人の秘密、華街や裏七軒とは?等々連載が始まって謎が明かされるのが楽しみな作品です。