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津原やすみ『エトランゼに花束』
最近読んだ本の「二人だけで結婚式」という展開で思い出したのが、「あたしのエイリアンEX」シリーズ。
今はなき講談社X文庫ティーンズハートの本です。

津原やすみ先生(今は津原泰水名義で活躍中)の「あたしのエイリアン」シリーズというとても長いシリーズの番外編。
私はEX(全4冊)しか読んでいないのですが、「あたしのエイリアン」を知らなくても問題なく読めます。
(「あたしのエイリアン」のキャラも登場しますが)


○あらすじ(※ネタバレ有)

両親が離婚協議中で、どちらの親と暮らすか選ぶことを拒否した主人公・川野和流(せせらぎ)は高校一年生にしてアパートに一人暮らし。
そのアパートの部屋に突然パンツ一丁の美少年・玄之丞が現れ、「自分は何百年も先の未来からきた」と言い張る。
玄之丞は「せせらぎの部屋が未来の自分の部屋と同じ場所であり、未来に戻るには同じ場所にいる必要があるはず」と主張し、なし崩しに居候を許すことになり――。


最初は変な奴と疑ってかかったせせらぎですが、だんだん玄之丞と接している内に彼に馴染んでいきます。
色々あって恋人同士になるものの、せせらぎの両親に同棲がバレて二人は離ればなれに。
家を抜け出したせせらぎと玄之丞は、小さな教会でふたりだけの結婚式を挙げるのでした。

花嫁が持つと縁起がいいと言われるサムシングフォー(青いもの、新しいもの、古いもの、借りたもの)を知ったのはこの話が初めてだったなあ。

主人公のせせらぎの語り口が落ちついているせいか、過剰に恥ずかしいこともなくすらすら読めます。
ストーリーにスパイス的に効いてるSF要素も面白いです。
(玄之丞は未来人であると同時に、地球人と異星人の混血の子孫――というのが前作「あたしのエイリアン」と繋がっている伏線)

未来人である玄之丞との別れは突然やってきます。
菜の花を見ようと約束した矢先、唐突に、そして忽然と、玄之丞は姿を消してしまうのです。
「自分が未来に帰れば、タイムパラドックスの修正機能が働き、みんなの中から自分の記憶は消えてしまうだろう」――そう玄之丞は予想していましたが、玄之丞と関わった人々の記憶から彼が消えても、せせらぎだけは彼のことを覚えていました。

そして、玄之丞を案じるせせらぎの前に一人の老人が現れます。
その老人こそ、せせらぎにもう一度会うために、時間旅行の研究に60年の歳月を費やして年老いた玄之丞でした。
せせらぎは「おじいさんでもいいからずっと側にいて」と懇願しますが、彼の見つけた時間旅行の方法はまだ未完成で、限られた時間しか過去にはいられないと告げます。
せせらぎは以前果たせなかった菜の花を見るという約束を果たすため、花を摘みに走りますが、その僅かな間に玄之丞は再び消えてしまうのです。

そして、最後にせせらぎは夢を見ます。
夢の中で「なんでも売っている」という怪しい露天商に、「タイムマシンが欲しい」と言うせらぎ。
しかし、生憎タイムマシンは品切れ中。
どうしても未来の恋人にもう一度会いたいのだと言うせせらぎに、露天商は「奇跡でも起きなきゃ無理だ」と答えます。
そこで、せせらぎは「じゃあ、奇跡を売って」と頼みます。
すると露天商はその手があったかと笑って、奇跡を売ってくれるのです。

「わたし、その恋人と二度別れてるの」
「なら、二度あることは三度あるさ」

そこで目が覚めたせせらぎには、輝く奇跡が見えるのでした。

未来から来た恋人という設定上離れ離れの結末ですが、ラストの露天商との幻想的な会話が「玄之丞にもう一度会える」――という何の根拠にもないけど、少しだけ希望を残したラストを演出しています。

想定読者層(いわゆるティーンエイジ)の年代で読んだせいか、今でも心に残っている作品です。
最後に年老いた玄之丞が出てくるシーンは当時ボロボロ泣きました。
いわゆる「かっこいい主人公の相手役」が最後におじいさんになって出てくるというのは少女小説的には禁じ手な気がしますが、長い年月を時間旅行の研究に費やす程、玄之丞のせせらぎへの想いは強かったということであり、
――要するにロマンチックなのです。
(今読むとちょっと恥ずかしいけど)
それでも、語り口が結構淡々としていて、過剰に感情的でないところがこの作品のいいところだと思います。

私は手元に残していますが、ティーンズハートは時代の流れで廃刊してしまい、某ブック○フでも取り扱ってないので、今や入手困難気味なのが残念です。
| 小説 | 22:07 | comments(0) | trackbacks(0) | bookmark |
                   
有栖川有栖『46番目の密室』
有栖川 有栖
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 740
(2012-09-29)
コメント:火村シリーズ第1作のビーンズ文庫版

ビーンズ文庫版『46番目の密室』を読みました。
amazonで購入しましたが、まだ初回特典の「作中の有栖川有栖」の名刺がついてました。
中身は講談社文庫版と同じですが、イラストが挿入されたこと及び少女小説レーベル用のレイアウトにより、ミステリになじみのない読者にも、とっつきやすくなった印象です。
普段ミステリになじみのない若い女性層を新規読者としてとりこむ方法としては、イラスト付きで売り出すという戦略は有効のように思えます。

犯罪社会学の教鞭をとる若き助教授・火村英生を探偵役、物語の語り手(いわゆるワトソン役)に推理小説家・有栖川有栖(アリス)に据えた人気シリーズの第一作になります。
犯罪社会学のフィールドワーク(現地観察とでも言えばいいのか)として事件現場に赴き謎を解明する火村を、友人のアリスは「臨床犯罪学者」と名付けています。


『46番目の密室』は、密室トリックの大御所推理作家・真壁に招かれた火村とアリスが、冬の別荘地で起きた二つの密室殺人事件の謎を解く話です。

推理が醍醐味のミステリにおいて、あらすじを書くのは難しいので書きません。
『46番目の密室』は過去に既読でしたが、犯人以外の詳細をすっかり忘れていたので、トリックはどんなものだったっけかと続きを期待しながら読めました。
私はミステリを読みながら犯人やトリックを推理をするということを全くしないタイプなので、早くオチを知りたくてページをどんどんめくっていました。

私にとってこの作品の面白さは、俗ですが登場人物達のキャラクター造形の魅力への部分からの評価を含んでいます。

火村の若くして助教授(32歳で文系学問の助教授!)であることや、数々の事件を解決に導き、警察からも一目置かれているとか…そういうハイスペック設定に加え、普段のクールな物言いと時々見せる茶目っ気とか、アリス曰く「ひねくれた性格」の原因として示唆されている暗そうな過去とか。
語り部であるアリスも、読者の視点にしては結構勝手に動きまわってドジを踏み(深夜に不審人物を追跡して殴られたり、屋根から滑り落ちそうになったり)、謎解きで珍回答をして火村を呆れさせたりとユーモラスです。
魅力的な登場人物が提示された謎を解いていく爽快感。
そして謎解きに対し「ええ、そんなオチ!?」という失望感がないこと。
この二つがきちんと揃った作品というだけで充分面白かったです。


更に言えば、イラストがついたことでキャラクター造形の楽しみはより補強されたと思います。
イラスト付き登場人物紹介があるのはちょっと嬉しいです。
以前にも同シリーズのコミカライズを担当された麻々原先生のイラストは、かっこいい火村助教授を楽しむという点では最適です。
(有栖川先生曰く、麻々原さんのイラストの火村とアリスを見た感想は、「こいつらこんなにカッコよかったんかい」だそうです)

作者の有栖川先生(作中のアリスとは勿論別人)は20年も前の本作を今ビーンズ文庫で出すことについて、「物語として古くなっても、謎解きの面白さは色あせないからであって欲しい」と仰ってましたが、携帯電話やパソコンが登場しなくても、まだまだ謎解きも物語もキャラクターも色あせていないと思います。
(物語やキャラクターは時代がもっと変われば古くさくなるのかもしれませんが…)

児童向けに編集されたシャーロック・ホームズからミステリに触れるように、日本作家のミステリに挑戦してみようかなと思う方が最初に手に取るにはいい作品なんじゃないでしょうか。
| 小説 | 23:56 | comments(0) | trackbacks(0) | bookmark |
                   
いろいろ。
レベルEは見事に撮りだめしています。
だめな癖です。
今週末こそは見よう・・・多分。


今日、三浦しおん『まほろ駅前多田便利軒』の映画キャストのインタビューを、テレビでたまたま見ました。
キャストが意外!(今頃)

えーたさんと松田のお兄ちゃんなんですか〜。
へええええ!
しかも配役逆のイメージでした。
お兄ちゃんの役はどちらかというと松田の弟さんの方がイメージに近い。
色々驚きだ。
でも意外な方が案外面白いかもしれないです。


宮部みゆき『あんじゅう』(※『三島屋変調百物語』の続編)を読んで泣きました。

くろすけ・゚・(ノД`)・゚・

もともと涙腺はと〜ても緩いのですが、小動物(?)系のネタは駄目だ。
また南伸坊さんのかわいらしい挿絵が逆に哀れさを誘うのです・・・。

でも『あんじゅう』の肝は一番最後の話「吼える仏」です。
人間の脆さをよく描いている話だと思います。
笑う仏じゃなく、吼える仏というのも考えさせられる話でした。
| 小説 | 21:38 | comments(0) | trackbacks(0) | bookmark |
                   
こんなん出てたました
宮部みゆき×荒川弘『ステップファザー・ステップ』

宮部みゆき先生の割と初期作品『ステップファザー・ステップ』のカバーを『鋼の錬金術師』でおなじみの荒川先生が書き下ろし。という素敵企画。
欲しい。
もともと去年の時点でセブンイレブン限定販売でペーパーブックス版を発売していたようですが、晴れて今年5月に文庫版も発行されたようです。
全然知らなかった・・・。

『ステップファザー・ステップ』、昔読んで好きだったなあ。
N○Kあたりでドラマ化しないかな。
双子の子役探すのが難しいか。(この場合、女の子に変更とかは止めて欲しい)


この『ステップファザー・ステップ』には続編があって、実は双子の両親は超能力研究者で、双子は超能力実験の産物だった!というすごい展開だったらしいです。(ネタバレ箇所は反転で伏せておきます)
ただ、そのお話は雑誌掲載のみで、一向に書籍化されてないのでなかったことになってるのかも。
まあ、『ステップファザー・ステップ』本編からはだいぶかけ離れた展開になっちゃいそうだけど、それも読んでみたかったなあ。
| 小説 | 22:44 | comments(0) | trackbacks(0) | bookmark |
                   
柴田よしき『所轄刑事・麻生龍太郎』
所轄刑事・麻生龍太郎 所轄刑事・麻生龍太郎

ようやく読んだ『所轄刑事・麻生龍太郎』

『聖なる黒夜』シリーズの主人公・麻生龍太郎が所割で刑事をやっていた頃のお話。
麻生出てくる話を時系列に並べると、所轄(『所轄刑事・麻生龍太郎』)→本庁(『聖なる黒夜』)→私立探偵(『私立探偵・麻生龍太郎』、緑子シリーズ)となる訳で、『所轄刑事〜』は現時点で一番昔の話。

収録されているのは、5話+エピローグ。

・「大根の花」

下町の植木鉢が三軒で壊される事件が発生。
一連の事件は社会に反抗的な若者の犯行かと思われ、付近に住む大学生が逮捕される。
しかし、麻生は三軒目の被害者の事件だけは、他と犯人が異なるような気がして・・・。

・「赤い鉛筆」

とあるアパートで、若い女性の首つり死体が発見される。
死体は自殺ということで処理される流れになるなか、麻生は首つりに使った紐がないことに違和感を覚える。

・「割れる爪」

白昼の路上で女子高生の顔をひっかき捕まった女。
麻生は女の取り調べを担当するが、女は一言も言葉を発しない。
唯一名乗った「はなこ」という名前から、どうして女が女子高生を襲ったのか調べることに。

・「雪うさぎ」

娘が昼寝をしている間に死んでいた主婦。
心臓の持病で急死したかのように見えるが、主婦の家には何点か怪しい点があり・・・。

・「大きい靴」

とある家庭の飼い犬が、ある朝加えてきたのは、人間の手首だった…。
手首は死後切り取られたものであることがわかる。ならば、死体もあるはず――と捜査を開始した麻生達は、犬がどこから手首をくわえてきたのか調べることに。

一応、ネタバレするかもしれないので、以下折りたたみます。

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| 小説 | 18:03 | comments(0) | trackbacks(0) | bookmark |
                   
柴田よしき『私立探偵・麻生龍太郎』
『聖なる黒夜』再び!
――という煽りで発売された今作。

『聖なる黒夜』の主人公・麻生龍太郎が、刑事を辞職し私立探偵として活躍するお話。
以下、ネタバレ含みます。

「OUR HOUSE」
セレブ婦人から、昔住んでいた借家の庭に埋めたタイムカプセルの行方を探して欲しいという依頼を受けた麻生。
とんとん拍子に聞き込みに成功、タイムカプセルが処分された事を突き止める。
しかし、婦人の依頼の真意はタイムカプセルの行方ではなく、別の所にあった…。

肝はタイムカプセル(の中身)そのものよりも、セレブ婦人の破壊願望にあった話。
それにしても、麻生の異常な聞き込み能力は都合いいな〜。同作者の別シリーズの探偵・花ちゃんだって、こうは簡単に行かないよ、と思わず突っ込まずにはいられない。

「TEACH YOUR CHILDREN」
セクハラで訴訟を起こされそうな男性校長から、身の潔白を証明するよう依頼されるお話。
男性校長は罠にはめられたのか、あるいは本当にセクハラはあったのか。
何とも柴田先生らしい話。
セクハラ冤罪で社会的地位を抹殺されそうになる男性側の恐怖、校長を罠にはめようとした女性の動機、どちらも理解できます。
冤罪で訴訟されるのは嫌だけど、投げかけられた心ない一言に少女がどんなに傷つけたかというのも納得できる。

「DEJA VU」
麻生に薬を届けてくれた薬局の青年に、麻生は不思議な既視感を抱く。
不思議な既視感の謎が解けないまま青年はある殺人の重要参考人になってしまい、麻生は事件解決に乗り出すが…。

麻生の元警察という設定が活かされた話。
警察の捜査の仕組みとかは、へえ!を連発しながら読んでました。
しかし、”石橋の龍”にしては、結構当たって砕けろ的突撃が多いなあ。

「CARRY ON」
元検事の女弁護士から、盗まれた叔母の形見の指輪の捜索を依頼される話。
しかし、指輪の捜索から一転、罠に嵌められた女性を助けることに…。

最後のくだりで、犯人側の家政婦さんがホテルの従業員に扮して、屋根裏にもぐりこんだシーンは吹きました。
忍者かよ…!
殺人事件の犯人に仕立て上げられそうになった女性の恐怖はすごく伝わってきた。
女性の娘の狂言誘拐の事件と言い、柴田先生は”罠にはめらられた”という設定が上手いよなあ。

以下、「Epilogue」及び山内練について。
続きを読む >>
| 小説 | 22:02 | comments(0) | trackbacks(0) | bookmark |
                   
あけまして
おめでとうございます。(三賀日過ぎたけど)
ふらふら更新のブログですが今年もよろしくお願いします。


今日の00は総集編だか解説番組だかのようだったので、見ていません。
昨年末がナビで今日の放送分が本編ならよかったのに…。

代わりに、NHKで年始にずっと放送していた「プライミーバル」という”恐竜SFアドベンチャー”(このキャッチコピーはあんまりキャッチーじゃないよね)な海外ドラマ(多分イギリス作品)を見てました。
このドラマがね、時空の割れ目を研究してる主人公と、やっぱり時空の割れ目について対応している国家公務員の美人のお姉さんと、数年前に行方不明になってた主人公の奥さんとのいや〜な三つ巴で、「ええー」と言いながら見続けてしまいました。
そして、第6話ラストで主人公の現・恋人である美人のお姉さんの存在が消えてしまい、過去に何かあったんだ!という所で、「プライミーバルは今回の放送をもって終了いたします」というNHKからのお知らせ。
ちょ、もっときりのいい所で切って…!
因みに、6話で忠犬タイプのライアン隊長が怪物の餌食になってしまい、それにもプチ凹みでした。
クローデイア(現恋人)やヘレン(元奥さん)よりもライアン隊長の方が、ニック(主人公)を(物理的に)助けてくれてたのにね…。

さて、年末年始は個人的に柴田よしき祭でした。

シーセッド・ヒーセッド (講談社文庫)
シーセッド・ヒーセッド (講談社文庫)

ア・ソング・フォー・ユー
ア・ソング・フォー・ユー

新宿の無認可保育園にこにこ園の園長、花咲慎一郎。
彼には私立探偵という裏の顔があった。

にこにこ園を守るため、元刑事の花ちゃんが少々やばい仕事に足を突っ込みながらも奮闘する、ミステリです。
このシリーズは他の柴田作品とクロスオーバーしていて、花ちゃんがにこにこ園の土地代を借金しているのが、『RIKOシリーズ』『聖なる黒夜』に出てくる山内練で、花ちゃんがよく世話になっている女医が『聖なる〜』に出てくる野添奈美先生。
と、言ってもそんなに山内や奈美先生が出張る訳でもなく(話によっては出張るけど)、花ちゃんの人情探偵っぷりを楽しむ作品。

『シーセッド・ヒーセッド』は花ちゃん、アイドルの秘められた過去に迫る、花ちゃん捨て子の親を探しつつ、大学舞台にした脅迫事件を解決。
『ア・ソング・フォー・ユー』は、花ちゃんまた捨て子を拾う、呪いの人形を持っていた少年を探す、盗まれた骨を探す、最後に893の鉄砲玉をスカウトするお話。

それも新宿や東京を舞台にした、どうしようもなくやり場のない悲しみが溢れた話達。
それでも、アイドルは闘う決意をしたし、捨て子は母親の元に戻ったし、ハリウッドスターの奥様はふんぎりがついたし、性同一性障害の女の子はあまりよくない生活環境から脱出したし、アパートの部屋で餓死しそうな女性は助けられた。
そういう少し救いがある話達です。

『シーセッド・ヒーセッド』が3作目、『ア・ソング・フォー・ユー』が4作目で、1、2作目はどうしたかというと、近所の図書館に3、4作目しか置いてなかったのです。
1、2作目は文庫落ちしてるので、今度買って来よう。
| 小説 | 19:36 | comments(0) | trackbacks(0) | bookmark |
                   
聖なる黒夜/柴田よしき
聖なる黒夜〈上〉 (角川文庫)
聖なる黒夜〈上〉 (角川文庫)

聖なる黒夜〈下〉 (角川文庫)
聖なる黒夜〈下〉 (角川文庫)

デビュー作のRIKOシリーズ等、刑事物ミステリ作家の柴田よしきの作品。
この作品もカテゴリはミステリ(一般小説)。

2002年に総頁676(しかも二段組み)という脅威のボリュームでハードカバー版が発売され、2006年には上下巻の文庫版が出ています。
文庫版は上下巻にそれぞれ一編づつ番外編の短編が収録されています。
そのせいか文庫も厚い。

新宿界隈を仕切る指定暴力団春日組の大物幹部・韮崎がホテルで何者かに殺害される。
捜査一課の麻生は韮崎事件の担当になるが、犯人の目星は全くつかない。
韮崎の周辺を捜査する内、同僚の及川から韮崎の愛人の一人・山内を紹介されるが、麻生と山内には深い因縁があって――
というお話。

大物の韮崎が殺害され、新宿界隈は俄に慌ただしくなります。
韮崎が殺されたことで組同士の抗争がいつ勃発してもおかしくない中、麻生は自分のやり方で丁寧に犯人を追いつめていきます。
韮崎の複数の愛人達、韮崎に大切な人を殺された人々、捜査本部の面々、たくさんの登場人物の浅からぬ関係が複雑に絡み合い、麻生班の捜査がその糸を一本一本解いていくような展開に、最後まで惹きつけられました。

あまりに登場人物が多いので、「あれこの人誰だっけ?」という事も(私の記憶力のせいで)多々あって、ただでさえ長い本編を何度も戻ったり進んだりしながら読みました。
とても厚い本なので毎晩少しづつ読み進めようと思っていたのですが、先が知りたい気持ちが強くてほぼ貫徹して読み切りました。
読み切って満足です。

麻生は”石橋の龍”とあだ名される程の慎重派で、完全に証拠を固めてから犯人を起訴してきました。
それが麻生の刑事としてのやり方であり、アイデンティティでした。
しかし、韮崎事件の重要人物である山内は、そんな麻生のアイデンティティを足下からすくってしまう存在でした。

闇世界の住人達がたくさん登場するこの作品、一筋縄ではいかない人間関係、常識的では考えられない人間関係がたくさん出てきます。
時にすごく残酷だったり、重かったり、引いたりするような描写も多々あります。
中でも麻生と山内の関係はとても重い。
山内は麻生が十年前に婦女暴行で逮捕した青年でした。
目撃証言も状況証拠も揃っている事件で、麻生は山内が犯人だと確信した上で逮捕したのです。
しかし、それがもし冤罪だったら…。

山内は裁判で実刑を受け刑務所に入り、社会のどん底まで墜ちた夜にヤクザの韮崎に命を拾われました。
韮崎の元で頭角を現した山内は、十年前とは別人のように変わっていました。
麻生は、慎重と自負していた自分の(不可抗力とはいえ)誤認逮捕のせいで、一人の人生が狂った様を目前につきつけられた訳です。
アイデンティティを足下から崩す山内という存在に、麻生がどう向き合うことにしたのか。
最後に麻生は山内に結論を示すのですが、それでも麻生と山内の未来は底なしの闇で光明は見えないのです。
何でこんな複雑な人間関係に追い込まれるのか。
麻生の立場になった時、そして山内の立場になった時、人はどうすれば最良といえるのか考えされられた作品でした。
(山内は作中でかなり悪どい事をしているのですが、それでも彼が十年前にかぶった災難は気の毒だと思ってしまいます…)


で、続きはちょっと不純な感想なので、たたみます。(まっとうに本作を読まれた方はスルーしてください)
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