第8話「You're my darling!」
マクバク族のサキ王女が視察名目で婿探しに地球へとやって来た。
マクバク族は女王のみが子孫を作る女性だけの一族で、マクバクの女王に愛された男の種属は数世代の内に滅びるという。
クラフト達は地球人滅亡を防ごうと婿探しを密かに妨害するが、サキ王女は幹久という人物と運命的な出会いを果たしてしまう。
一目で恋に落ちた二人であったが、実は幹久は女だったことが判明する。
第9話「Love me tender」
幹久が女である以上、サキ王女は子孫は残せない。
失意のまま地球を去ったサキ王女に、これで地球人から婿を探すのは諦めただろうと楽観するクラフト達。
しかし王子はマクバク族はそれくらいで諦めるはずがないと指摘する。
その言葉通り、サキ王女達は幹久を密かに宇宙船に連れ去り、彼女が遺伝子の未熟さ故に男になりきれなかった女であることを見抜き、”治療”を行うのだった。
マクバクの遺伝子科学の前になすすべもないクラフト達に、王子はある解決案を示すのだが・・・。
運命の人を探しに来た異星人の王女と地球人のラブストーリーでロマンチック!と見せかけて、異星人の王女と結ばれた男性の種属は数世代で滅ぶという怖い設定。
しかも運命の相手は性同一障害でトランスジェンダー。
レベルEは97年頃連載してたと記憶してるのですが、当時かつWJでやるにしては結構インパクトのある設定だったなと思います。
単に私が読んでる範囲の漫画にそういうのがなかっただけかもしれないけど。
この話で怖いのはサキ王女達マクバク族です。
運命の人を探すというロマンチックな理由で行動しているように見えて、同時に交配した男性の種属が滅びるのを見るのが「女王」であることを実感できる至福の時と捉えているのです。
つまり好きな人と一緒になれればそれでいいというだけではなく、ついでに好きな人の種属を滅ぼして独占するという優越感も求めてるわけです。
怖い。けど魅力的。
アニメで残念なのは二話構成にしたため、スノーモービルによるカーチェイスが追加されたりしていまいちテンポが間延びしちゃったことかな。
原作でサキ王女が幹久の”治療”をする「やっぱり、あなたは女なんかじゃない」というシーンは、サキ王女の美しさと怖さを上手く表現されてたコマだったのですが、何かアニメではいまいちだったかな。
結局、バカ王子の企みにより、幹久のクローンにマクバク族の体内にいる他種属を殺すウイルスを殲滅するプログラムを仕込み、サキ王女と出会わせる、という作戦で地球は事な気をえます。
クラフトも良心の呵責に苛まれてたけど、今見ても倫理的に問題もある解決方法だ。
あくまでも一目惚れと運命的出会いにこだわるマクバクのロマン主義を逆手に取った戦法です。
因みに本物の幹久今日子は地方に引っ越しし、男になれて喜んでたそうです。
めでたし、めでたし?
しかし、”サキ”と”幹久”の名前って、連載された当時流行した歯磨き粉のCM「早紀ちゃん!」「幹久君!」「芸能人は」「歯が命!」からとってますよね。
とても懐かしい気持ちになった。
次回のレベルEはカラーレンジャー人魚編です。
こっちも好きなエピソードなので、待ってました・。+(´∀`)+。・
それにしても当時はなんとも思っていなかったけど、ツインテールマーメイドってすごいネーミングだなあ。
いや、確かにツインテイルマーメイドなんですけどね。